令和7年 1月 アナログ学習のススメ
2月 なごり雪に寄せて
アナログ学習のススメ (令和7年1月)
「読み書きそろばん」という言葉を最近ではあまり聞かなくなりました。
文字通り「読む」「書く」「計算する」という、初等教育の基礎となる能力です。
幕末には「読み書き算」と呼ばれ、特に商売の基本となることから寺子屋などで多くの子供たちに学ばれていました。
最近になって認知症予防の観点から多くの本が出版されるようなりましたが、読んでみるとその基本がまさにこの「読み書きそろばん」なのです。
書物や新聞などの短文を声を出して読む。同じく短文を書き写す。計算や図形の問題に取り組む。
その過程で頭脳が活発に働いて老化を防ぐと言われています。
スマホなどを利用してゲーム感覚で頭脳を鍛えるのもいいですが、ノートとペンを使ったアナログな学習法も見直されているようで安心しました。
ちなみに、英語では「reading, writing, arithmetic(アリスメティック=算数)」。
それぞれの単語に「r」が入っていることから「スリーアールズ(3R's)」とも言われます。
仕事や運動をやめたとたん衰えを感じるようになった、というのはよくある話ですね。
それまで無意識に使っていた能力・体力が、使われなくなって退化するのでしょうか。
面倒なことはしなくなりがちですが、使わない能力は弱くなります。
ラジオ体操が有効なのと同じように、頭脳の訓練も大切です。
お子さんから高齢者まで、体と頭のアナログ体操を大いに楽しみましょう。
1月の論語
黙而識之、学而不厭、誨人不倦
読・黙(もく)してこれを識(しる)し、学びて厭(いと)わず
人を教えて倦(う)まず」
意・静かに知識を得て、学ぶことを苦にせず
人に教えて飽きることがない
なごり雪に寄せて (令和7年2月)
先日、実在した福井藩の医師・笠原良策を描いた映画「雪の花」(監督・小泉堯史氏)を見て来ました。
平日の午前中にもかかわらずチケット売り場に行列ができていて、ちょっと驚きました(笑)。
吉村昭原氏による原作とほぼ同じ構成で、余分な脚色のない淡々とした作品でした。
科学の進歩というものは、決して著名な天才だけによってなされてきたものではないということを、改めて心に刻むことができました。
大学入学共通テストが終わりいよいよ本格的に入試シーズンが始まりましたが、みなさんも詰め込んだ知識をおごることなく、いつまでも謙虚に勉学に励んでください。
今は固く閉じている「雪の花」が、いつか大きく開くことを信じて。
立春過ぎに降る雪を、「なごり雪」といいます。
2月の論語
人能弘道、非道弘人也
読・人、能(よ)く道を弘(ひろ)む。
道、人を弘むるに非(あら)ず。
意・人は努力を重ねて徳の道を広めていく。
道が人を広めてくれるのではない。
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